ヲタクな女子が二次創作小説や、日記を書いています。
奈良美智さんは、アムロ・レイに似ているとおもう・・・。

すっごい好きな二次創作サイトさまがあるのですが、そこのアムロの話を読んでて、
あれ、この人に似た人いたな〜、誰だっけ?

・・・奈良さん!!
と、思い出したのです。

創作物というのは、時代を象徴的に反映するものなので、あの時代少年だった人、また人に顕在化した新しい特性が、反映されたのでしょう。


それだけ笑

両方のファンの方に怒られそうな記事だ〜笑

 金属の焦げる臭いとか、機械油の臭いとか、軍人になった当初はひどく鼻についたそれらは、
 今ではわずかな高揚感と安定感をもたらすものになっていた。

 アスランは格納庫が好きだった。
 ―好き、というには落ち着きすぎた感情なのかもしれないけれど。
 整備士の怒鳴っているようなやりとり、パーツを運ぶ機械音、空間が広いせいでそれら
 すべての音が拡散しがちなのも、アスランを安心させた。

 キャットウォークの頼りない柵に背を預けると、アスランは目を閉じた。
 先ほどの戦闘による疲れで、目を開いているとちかちかするのだ。
 ―鼻先を金属の焦げる臭いが掠る。
 
 エンジニアになりたい、とおもったことがあった。
 はるか昔、幼馴染がいつも傍にいたころ。
 メカニックが好きだったから現場での技術を得れば食いあぶれることはないだろう、と夢想した。
 一方で冷静に自分はパトリック・ザラの息子だということを自覚していたので、
 20年のうちには実現不可能な夢だと、ため息を吐いたのを覚えている。

 
 エターナルに乗り込んでからのことだった。
 自分がエンジニアになりたいと思っていたのを、俄かに思い出した。
 それまでは、父が望む自分を表面だけなぞって、その立場でできることを必死でやるのに
 夢中になっていたから。
 ―忘れてたの?!意外とぼんやりしてるよね、アスランって
 
 このあいだキラに話した時に言われた。
 彼は上っ面にからかいを乗せて、げらげら笑っていった。笑い顔に哀しみを隠していた。

 
 (目の疲労はとれたか)
 そろそろとまぶたを持ち上げる。

 
 でも今は、パイロットになることを選んだ自分に感謝をしている。
 ここは、特権的で、閲覧できる情報は多く、時代を俯瞰しやすい。
 そして、
 ―前線で戦える。
 
 
 エンジニアになりたかった、今でもなりたいと思っている。
 でも今は、パイロットでいられることが嬉しく、ここで出来ることをしようと、
 潔く夢を諦めることが出来るのだ。

 
 整備はまだ、続いている。

 
 

 040925  バックグラウンドを受け入れるということ

 


 ―軽やかな舞踏の曲が胸にずしりと重いのは何故か?
 ルドルフは自らの複雑さに打ち沈んでいた。


 今宵は宴。
 男、女入り乱れてしっとりとしかし華やかに、宴は運ばれていった。
 父帝の催した宴である。 秋の到来を喜び、夏の去ったのを悲しむ、ということらしい。
 ショパンのワルツに合わせて着飾った貴婦人が目の前を軽やかに横切った。

 
 ルドルフは頭痛が治まらない。

 母や親王の催した宴ならば早々に辞しているところだが、これは父帝の、だ。
 音をあげることなど赦せるはずもなかった。

 
 長調の明るい舞曲の間に、しっとりとしたスケルツォやソナタが挟まれる。
 人々は、踊るのをいったん止め、交流をあるいは外交を、楽しむ。
 第一王位継承権をもつ彼は放っておかれるはずもなく、人の波に攫われる。


 (頭痛が、)
 (頭痛が、治まらないんだ)


 ルドルフはほとんど子供のように、誰にいうともなく、心の底でうめいた。


 ルドルフといままで談笑していた男が唐突に、す、と、目を細めた。
 「皇太子殿下?・・・・」
 豪商だという。200年の昔から続く布を扱う店のトップらしい。
 顔の肉は悉く削げて、しかし目の光は童子のように明るい。
 彼は不思議そうに、不躾にルドルフをみたあと、いや私の勘違いでした、失礼致しました、
 とそそくさとその場を去っていってしまった。


 (なんだ?・・見破ったのかと思ったんだが。)
 ルドルフはまだ回りにまとわり付いている人々に気付かれぬように、く、とわらいをかみ殺した。
 
 (醜い私の本心を、)

 
 また、ワルツが始まった。

 ワルツを踊りに人が多少散ったのを幸いに、ルドルフは広間を後にした。


 (頭痛が治まらない。)


 
 広間を出ると、空気はしんと冷えて、大分湿気を含んでいるようだった。
 夜会着のままのルドルフは身震いをした。
 (寒い・・・・。)
 
 
 宴は中盤を過ぎていた。
 今頃なら姿を消しても父帝も不審におもわないだろう。
 むしろ貴婦人との社交に勤しんでいると、おもうだろう。
 ルドルフは低くわらった。
 (父帝は、私のことなど真には見ていない。)
 
 一人と人の居ない、教会へと続く冷えた廊下を、ルドルフは靴音を立てて、ゆっくり、進んだ。

 
 カツーンコツン、カツーンコツン、と靴音が響く。
 
 いつのまにか頭痛は消えていた。
 
 やはり夜会が荷重だったのだろう、とルドルフは分析する。
 自分は、つくづく皇太子に向いていない、と心中でわらった。
 

 そろり、そろりと、眼前に重厚な教会の扉が見え始めて来た。

 
 人に会いたくなくて、しかし人の気配が欲しいとき、教会はルドルフにとって居心地がいい。
 
 (もしかして・・・・―――がいるかもしれないな)
 ルドルフは胸に過ぎった考えを即座に否定した。
 
 (否、期待などしない)

 

  
 扉は、いつものようにやや重く、木のひんやりした感触を手のひらに伝えた。
 ギ、と蝶番が微かに鳴った。
 
 天井高く造られた聖堂は、きちんと掃除が行き届いていて、塵一つ無い。

 ルドルフは、ほ、と息を吐いた。
 
 ぐるりと堂内を見渡しても、人は居ないようだった。

 ほ、と今度は安堵の息を洩らした。

 堂内は照明が大方落とされていた。
 
 薄暗く、薄気味悪いほどだった。

 マリア像など、角度によっては、足元にひさまずいた人を嘲笑うかのようだった。
 
 
 しかし、ルドルフには、良いのだ。

 (ああ、眠い)

 気が緩んだのか、ルドルフは、大あくびをして、伸びをした。
 
 (私は神を信じていない。)

 ルドルフは微笑んで、クルスの前へと歩を進めた。
 
 (信じてなどいない、が、神を信じている人間に救われているのは、事実だな)
 
 くすくすと、今日初めて心から笑うと、ルドルフは十字架をじっと見上げた。
 
 
 夜になって外気はぐっと冷え込んで、教会の中も吐く息が白いほどだった。

 

ほとほと、とラップトップのキーボードを打つ音だけが部屋の静けさを破っていた。
アスランはまだ帰ってきていない。
キラはもう長いこと同じ姿勢で統計データの打ち込みをしていた。
最近しているバイト、大学の研究室の下働きだ。
比較的好きな分野なせいか、まったく苦にならなかった。
でも、それは精神的にということであって、体は疲れてきているようだった。
(目が霞む・・。休めってことかな。)
でも、もうちょっとだけ、と新しいブロックに手をかけようとした、とき。
かたん、と
音がした気がした。玄関のほうで。
「アスラン?帰ったの?」
間延びした声で呼びかけた。
返事はなかった。
(もしかして・・!泥棒・・?)
嫌な予感を払うように頭をひとふりすると重い腰をあげて、玄関へ向かった。


玄関はしんしんと冷えていた。
冬のようだとキラはおもった。
おもてはもっと寒いんだろうと連想して、ぶるりと身をふるわせる。
(アスラン・・、早く帰ってこないかな、帰り道、凄い寒くなっちゃうよ)
我知らずアスランに呼びかけた。
そうして、寒い、寒いともと来た途を戻った。

かえる途すがらなかば癖になっている行動を無意識にした。
「アスラン、開けるよー」
返事を待たずに扉を開ける。
扉のうちは、意外にも灯りがついていた。


「あ、すらん?・・・」
部屋の中のベッドの脇に凭れるようにして彼は、いた。
コートを着たまま、ラップトップで何かを読んでいる。
「アスラーン?・・おかえり」
眠たそうな声が出てしまった。
アスランはだるそうにこちらを見ると、ため息みたいに苦笑して
ただいま、といった。


部屋はヒーターをつけていないのかとても寒く、立っているだけで体が身のうちから
侵されるように冷えていった。
ただいま、といったあと、アスランは、また何かを読み始めてしまった。
こんな寒い部屋にひとりにしていたくなくて、
「アスラン・・。」
呼びかけて、手をとって、リビングにつれていった。


リビングはとても暖かく、キラが居た気配があちらこちらにあって、アスランは安心した。
立ち上げたままのラップトップ、散らばった統計の紙、コーヒーの入ったマグカップ。
それらの真ん中にキラが居れば完璧だった。
―それでも、芯から冷え切った体はすぐには温まらない。
だるい体を励まして、ソファに身を沈めた。
ソファはゆっくり沈んでアスランを安定して支えた。


キラが視界の端でマグカップにお湯を注ぐのが見えた。
(なんだろう?・・コーヒーは、飲みたくないな)
彼はマグカップを両手にひとつずつ持って、こぼさないように慎重にこちらにやってきた。
「アスラン、はい。」
目の前に差し出された。かすかに生姜の香りがして、胸が痛む。
火傷しないように、慎重に一口飲んだ。
(・・あまい)
傍らに座っていたキラがゆっくりと口を開く。
「・・ねぇ、哀しい顔してるよ。・・」
なぐさめの言葉を忘れてしまったかのように、事実だけ、告げられた。
アスランは、そう、とだけ応えて、また一口生姜湯を飲んだ。
空は既に日が落ちて夜の闇に溶けていた。

風は凪いで、曇天の空だ。
嵐の前の静けさといった風情ですべてのものは落ち着いた色をしていた。
人ひとり分空けて隣に座るアスランも景色の一部みたいにそこに馴染んでじっとしている。
重そうな装丁の本のページを繰る音だけがその場を支配していた。


最早、おなじみになってしまったこの風景にキラは少し退屈していた。
(いや、アスランと一緒にいるのは好きなんだけど、)
何に退屈しているのだろうかと、しばし首をひねった。


一定のはやさでぱらり、ぱらりとめくられる紙の音はキラのそれより少し速いようだった。
(ああー、退屈~)

キラは再び唸った。今日何度目か知らない、それ。
おもむろにレポート用紙を一枚破るとペンで走り書きした。それを本に挟むとアスランの
横、いままで自身が居たところに無造作において、リュックをつかんで静かにその場をあとにした。



慣れてきて幾分か速さの増した速度で文字を追っていたら、ふいに強い風が吹いて本がばらばらと
捲くられてしまった。
あーあ、と苦笑いして目を手元に戻しかけて、はたと気がついた。
―キラがいない
驚いて立ち上がり、あたりをぐるりと見渡すも、眼の届くところにはいないようだった。
アスランは軽く息を吐くともとどおりに腰をおろした。
いなくなったのに気がつかないなんて、今までなかった。
ものすごく集中していたのだろうか、それとも勘が鈍っているのか。
ショックを受けながらも視界を廻らせればキラのいたところには本があった。
(紙?)
はさまれていた紙を手に取るとアスランは笑った。
『ラップトップとってくるから、そこで待ってて!おやつには辛いラスクをもってくるから。』
(おやつって子供か??)
こんな文面で安心した自分は馬鹿だとおもった。


空は雲が落ちてきそうな曇天だ。雨は降りそうもなかった。

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